日中の暖かさで雪が融け、夜中の寒さで凍結する、という日が続いているせいで、路面が場所によっては激しくツルツルなのだが、そんな最中、とうとう昨夕、すってんころりんとコケてしまった。丁度、店から出た直後で、気を抜いていたワケでは無かったが、前方に目を奪われ、足元の確認が疎かになったせいで、やや盛り上がったツルツル凸面を踏んでしまったのだ。今回は、受け身も間に合わず、ズルっと左尻から地面に衝突し、一瞬遅れて左手を強打した。それはどうにも言い繕うことができぬ程、見事なコケっぷりで、出足払いで一本レベルだった。しかし、腰から逝かなかったのは幸いだ。

 【今季コケカウント:1.5

周囲に人がいたから、これはハズい!と思ったのも束の間、手首からジャラリと腕時計がずり落ちた。打ち付けた衝撃でバンドが壊れて、外れてしまったのだ。慌てて部品をかき集めるのが、更に恥ずかしかった。帰宅してから、よくよく壊れた部分を確認してみると、時計本体は全く無傷だったが、バンドの方は部品が一部紛失していた。修理できない事も無さそうだが、元通りにはならないだろうし、本体だけで携行時計として使おうと思う。

この腕時計はこちらに来る前に購入したモノで、ン年の間、それなりに苦楽を共にしてきた戦友というか相棒というか、そういう存在だったから、こんな風に失ってしまうのはとても残念だ。でも、僕がコケた際の衝撃を和らげてくれたと言えなくもない。その証拠に、衝撃の強さの割に、カラダのどの部分にもダメージが残っていない。ドラクエで即死呪文をかけられた時に、身代わりになって砕け散ってくれる道具があり、確か「いのちのいし」とかそんな名称だったと記憶しているが、それと同じ役割を果たしてくれたのだとしたら、なんと忠義心にアツい相棒だろう!今後、彼にはポケットの中でのんびり余生を過ごしてもらおう。とまれ、半ヒキのおっさんにとって、腕時計の優先順位は低いから、当分は新調する予算の計上は難しいだろうし、相棒はこれからも僕と共に在り続けるのだった。今日からまたコケない様に、気を引き締めなおそうっと。

 

映画鑑賞記

ウェス・アンダーソン監督作「グランド・ブダペスト・ホテル」("The Grand Budapest Hotel" : 2014)

ホテルのコンシェルジュとロビーボーイが騒動に巻き込まれ、親交を深めていく様子を描くコメディ作品。

1968年、架空の国ズブロフカ共和国を訪れた作家の男は、山腹に建つうれぶれたホテル「グランド・ブダペスト」に宿泊する。男は閑散としたホテルで老いたオーナーと出会い、かつて彼が敬愛した偉大なコンシェルジュ・グスタヴに関する騒動の顛末を聞かされる。その話は1932年に遡り、時代は戦時下の様相を呈していた。そのオーナーは名をゼロと言い、ズブロフカに移民としてやってきて、当時はまだ賑やかだったグランド・ブダペストのロビーボーイとして働いていた。その頃のホテルのオーナーは不明で、コンシェルジュのグスタヴは支配人よろしく献身的な差配をしていた。一方で、グスタヴはホテルを訪れる何人かの常連の女性客と懇ろであり、その中にマダム・Dという上客がいた。ところがそのマダムが急死した為に、遺族立会の元で遺書が開示される事になり、グスタヴはゼロを連れてマダムの屋敷に赴く。遺言に基づき、遺産は遺族に分配される手筈だったが、強欲な遺族の思惑とは裏腹に、マダムはグスタヴに「林檎と少年」という1枚の絵画を遺していた。しかし遺族の1人、ドミトリがそれを認めようとはしなかった為に、グスタヴはゼロと共に、絵画を屋敷から持ちだしてしまう。1枚の絵画を巡って、事態はやがて大騒動へと発展し、グスタヴとゼロの人生をも大きく変えていくのだった。

架空の国ズブロフカの山中に佇立するホテル「グランド・ブダペスト」の、今日に至るまでのあらましが、伝聞に次ぐ伝聞で明らかにされる、というノリのコメディ。かつてのコンシェルジュ、グスタヴが懇ろだった女性客マダム・Dが遺した絵画を受け継ぐ事になるのだけど、実はマダムはドミトリの謀略で殺害されていたと。その罪がグスタヴに着せられてしまい、彼は逮捕され、服役する事に。しかし、刑務所で同室となった囚人らの脱獄計画を知り、ゼロの協力を得ることで見事に脱獄。グスタヴはゼロと共に、絵画に秘められた真実を探るべく奔走するというハナシ。次にどんな仕掛けが飛び出してくるのか予想できない、この監督の作品らしい遊び心に溢れていて面白い。過去のパートは全て4:3の画面比となっていて、当然それに沿った画作りが成されているのも興味深いし、そういういわばアナクロっぽい演出とは反対に、映像は非常に鮮明かつ美麗で、なんとも不思議な感じ。年齢差のあるグスタヴとゼロの凸凹なアンバランスぶりと、その軽妙な掛け合いが何度と無く笑いを誘う。こういうほのぼのした鑑賞後感は何度味わっても良いモノですな。

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